苫米地式コーチング認定コーポレートコーチの萩原崇です。
毎年、年末が近くなるとマーク・シューベルト氏が日本に来日します。
私も毎年お会いさせていただいていますが70歳を超えるとはとても思えないパワフルな雰囲気の方です。
そんなマーク氏を紹介していきます。
マーク・シューベルトとは
1949年1月2日アメリカオハイオ州生まれです。
日本では「前米国オリンピック代表水泳チーム監督」と紹介されることが多いです。
現在は、カリフォルニア州ミッションビエホに戻り、ヘッドコーチとして選手を育成しています。
米国オリンピック代表水泳チームの元監督
マーク・シューベルト氏と言えば、2008年北京オリンピックにて前人未到の8冠を記録したマイケル・フェルプス選手のコーチであり、米国オリンピック代表水泳チームの元監督です。
北京オリンピックは、日本の北島康介選手が2大会連続での2冠を達成し、100m平泳ぎでは58秒91の世界新を記録するなど、記録更新が続いた五輪でした。
ちなみに、北島康介選手がマイケル・フェルプス選手と初めて直接対決したのは、2010年の米グランプリシリーズ100ヤード平泳ぎでした。(北島康介選手が優勝)
マイケル・フェルプス選手には、水泳を始めた7歳の頃からボブ・ボウマン氏が水泳コーチについていましたが、2000年シドニーオリンピックの監督だったマーク氏がフェルプス選手を指導し始めたのは彼が13歳のときからです。
アメリカ水泳コーチ協会(ASCA)
マーク・シューベルト氏は、アメリカ水泳コーチ協会でも高い評価を得ています。1975年、1976年、1981年、1997年、1999年の5回、アメリカ水泳コーチ協会のコーチオブザイヤーに選ばれました。これは、「アメリカ水泳におけるコーチングの成果で最も卓越した功績を残した個人」に贈られます。
また、2021年までの任期でアメリカ水泳コーチ協会の執行委員(Executive Committee)にも就任しています。
作曲家シューベルトの末裔
マーク・シューベルト氏は、あの名曲「魔王」「野ばら」を書きあげ、600曲以上の歌曲を残し「ドイツ歌曲王」と呼ばれたオーストリアの作曲家フランツ・ペーター・シューベルトの末裔でもあります。
マーク・シューベルトの実績
1970年代にルー・タイス氏からコーチングを学び、計26人のオリンピック選手を育て、金メダル獲得29個、全米新記録300個を達成させた国際水泳殿堂入りの名誉コーチ。
なお、ルー・タイス氏は2012年4月2日午前(日本時間)に永眠、妻のダイアン・タイス氏は2020年1月7日に永眠されました。
その実績の一部を紹介していきます。
マイケル・フェルプスのコーチ
2016年リオオリンピックの出場を最後に引退した、“水の怪物”の異名を持つ男、マイケル・フェルプス元選手は、五輪通算23個の金メダルを獲得しました。
23個の金メダルは本当に圧倒的で、二番目に金メダル獲得数の多いのは9個(5名同位でウサイン・ボルト元選手もその一人)で2倍以上の差をつけています。
マイケル・フェルプス氏は15歳で2000年シドニーオリンピック初出場から、2004年アテネオリンピック(金メダル6個獲得)、2008年北京オリンピック(金メダル8個獲得)、2012年ロンドンオリンピック(金メダル4個獲得)、そして2016年リオオリンピック(金メダル5個獲得)と5回出場しています。
一方のマーク氏は、1980年モスクワオリンピックから米国オリンピック代表チームに関わり、2008年の北京オリンピックを最後に代表チームから退きましたので、まさに北京でのオリンピック史上初8冠達成は、二人の集大成だと思います。
写真は、2009年競泳全米選手権兼第13回世界水泳選手権代表選考会にて宇宙飛行士のマイケル・J・マシミーノ親子とマイケル・フェルプス氏、マーク・シューベルト氏(zimbio.comより)
もちろん、マイケル・フェルプス氏のみならず、Lindsay Benko選手、Rhi Jeffrey選手、Klete Keller選手、Lenny Krayzelburg選手らもマーク・シューベルト氏の指導のもとで金メダルを獲得しています。
写真は、北京オリンピック後にPX2トレーニングを受けるマーク・シューベルト氏率いる米国オリンピック代表チーム。中央にルー・タイス氏とダイアン・タイス氏(thepacificinstitute.comより)
著書
日本での講演
マーク・シューベルト氏が日本に来日するのは、一般財団法人BWFインターナショナルによる次世代教育プログラム「PX2」の無料講演会に登壇するためのことが多いです。
このイベントは毎年「米国トップコーチから教育者へ伝える、新時代を強く生き抜く人材を生み出すための育成プログラム」というテーマで経済産業省、文部科学省後援のもと、参議院議員会館で行われます。
講演会は私も参加したことがありますが、北京オリンピックでマイケル・フェルプス選手が100mバタフライに出場して泳いでいた時(100mバタフライでは最後の最後で逆転に成功し、わずか0.01秒差の金メダルだった)の話をプールサイドで応援している臨場感そのままで伝えてくれたのが印象的でした。
まとめ
マーク・シューベルト氏には、コーチとしての在り方も教えていただきました。
“Coaches help others to help themselves.”
コーチが直接クライアントを助けるのではなく、クライアント自身が自分自身のマインドをうまく使って、夢を実現していくことを助ける存在なのだ、ということだそうです。