苫米地式コーチングについて既刊の書籍等である程度知識のある人に向けたアドバンス的な内容。YouTube動画などで部分的に語られてきた内容が一つのゲシュタルトとしてまとめられている。
苫米地式コーチング認定コーチの萩原崇です。
『オーセンティック・コーチング』を紹介していきます。この記事の一部は苫米地英人博士の居られる前で書籍を片手に書きました。東京都渋谷区某所にて。
コーチングのコアとは
この本では、はじめにでコーチングのコアについていきなり語られています。
コーチングのコア、それは「ゴール」と「ゴール設定」です。
そして、コーチングのゴールには定義があります。それは、「ゴールは現状の外側に設定する」ということです。
ゴールを現状の外側に設定することが、コーチングと、その他のコンサルティングやセラピー、カウンセリングと違うところになります。
そして第1章とつながっていきますが、コーチングは人々をリッチ(=豊か)にするためにあります。「会社で出世してお金持ちになること」や「スポーツの大会で優勝すること」はオーセンティックなコーチングではゴールにしないのです。
人々をリッチにすることがコーチングの目的、から考えると、企業で従業員にコーチングを受けさせたいのは利潤追求のみが目的になるのでコーチングの本質とズレてしまいます。
企業のコーポレート・ゴールには社会貢献という軸は必要で、もちろん従業員の健康も必要で、そういった点からもバランスホイールという概念が重要になってきます。
バランスホイールの見方
バランスホイールは第2章で書かれています。
典型的バランスホイールとしては「職業」「健康」「趣味」「家族」「生涯教育」「ファイナンス」「地域社会への貢献」「世界への貢献」の8つに分けます。その他に、精神性(スピリチュアリティ)や国への貢献などを増やしていくのも良いと書かれています。
「職業とはお金儲けをする手段ではありません」と職業のゴールを設定するためのアドバイスを披露しています。
そこから趣味のゴールの設定のやり方、生涯教育、社会貢献、スピリチュアリティ、ファイナンス、健康、とそれぞれのゴールはどのように設定するかを解説していきます。
コーチングは不安にさせるもの?
第3章、第5章で書かれている内容を中心に紹介していきます。
コーチはクライアントと話す必要はない、と書かれています。コーチはクライアントに指示やアドバイスを出してはいけないのです。コーチがクライアントに対して指示を出してしまったら、それは単なる誘導でコーチングではありません。
この部分は、ぜひとも本を読んで苫米地博士の言葉で感じてほしいところです。
コーチングは非言語であるということです。なぜならば、他人の言葉くらいでそう簡単にブリーフシステムは変わらないからです。
だからコーチが「どんな質問をしようか質問集を作っておこう」と考えるのは的外れということになります。
コーチとクライアントは、ゴールを現状の外側に設定します。それはクライアントにとって現状維持ではない新しい世界、新しいコンフォートゾーンです。新しいコンフォートゾーンはcomfort(=快適な)とありますが、今までのコンフォートゾーンと比べれば居心地が悪く感じます。
その居心地の悪さがクライアントが抜け出すべき「現状」です。
カウンセリングやセラピーは現在の悩みを解決して安心させる、コーチングはクライアントに不安を作る仕事なので正反対です。
もう一度復習するなら
この本の中で言及されていた著書は5冊ありました。
特に『まずは親を超えなさい!』『苫米地式コーチング』『夢をかなえるPX2完全マスター』の内容のアドバンス的な位置づけに『オーセンティック・コーチング』があるようですので、もう一度復習するならまずはこの3冊から始めましょう。
さらに余裕があれば、スピリチュアリティのゴールを考える上で『超悟り入門』、第6章のコーチング総論で現代日本の歪みは現状の内側のゴールばかりを求めていることに起因している、と『世襲議員という巨大な差別』を引き合いにされているので、こちらも御覧ください。